笠松 怪物誕生の地

2025年4月29日、岐阜県にある笠松駅にやってきた。

目的はこの日行われる、ウマ娘シンデレラグレイのイベント参加とコラボレースの観戦である。

イベントに合わせて駅の看板もシンデレラグレイ仕様になっている。

競馬場に行く前に、まずは駅近くにある「笠松中央交流センター」を訪ねた。

お目当てはこれ、笠松音頭のかるた付きDVD。内容は笠松音頭の振り付けを記録したDVDが2枚。1枚は新笠松音頭でYouTubeに上がっている動画と同じだが、もう1枚は旧笠松音頭のふりつけを記録したもので、これはなかなかお目にかかる機会はないのではなかろうか。今ではほとんど忘れられてしまっているようなので、縁あって手に入れたからには語り継いでいきたいものである。

さて、こちらが笠松競馬場。駅から歩いて5分ほどのところにある。

入ってすぐのところにあるのがオグリキャップの銅像。地方競馬から始まって中央で大活躍した怪物だ。当時のことは知らないのだが、地方の馬が中央に移籍してそこで大活躍するというストーリーは今聞いても興奮する。並みいるエリートたちを地方の非エリートが倒していく姿に、人々は夢を見たのではないだろうか。人間社会で考えても、生まれながらのエリートたちに勝つことは難しい。オグリキャップの走る姿は、そんな現実に立ち向かう勇気や希望を与えてくれる。

シンデレラグレイの中でオグリキャップが笠松音頭を踊った場所。作中ではみんな白けていたが、私は若い子があんな踊りをはじめたらむしろ嬉しい気がする。なんでもかんでも西洋のものがいいという風潮には反感があり、なぜもっと日本の文化を誇りに思わないのだろうかと思う。

タマモクロスがきしめんを食べていた店。この日は長蛇の列で私は食べることができなかった。

競馬場の周りも歩いてみた。木曽川の堤防。シンデレラグレイでは、ここをオグリたちがよく走っている。

堤防から見た笠松競馬場。この辺りには競馬場特有の匂いが漂ってくる。あれは馬のふんの匂いなのだろうか?あまりいろんな動物の排泄物に詳しいわけではないが、知っている範囲で言うと人や犬のふんの匂いなんかと違ってなんだか甘くて懐かしい良い香りがする。主食の牧草がこのような香りに影響しているのかもしれない。

笠松の町中ではこのような風情のある建物をちらほら見かける。今回はゆっくり見る時間がなかったが、改めてこの町をじっくり見てみるのもいいかもしれない。

再び競馬場に戻ってきた。

そういえばパドックはどこにあるのかと探してみたら、コースの内側にあった。客席からは離れているので少し見えづらい。パドックと言えば、競馬場内の至近距離から見える場所にあるものだとばかり思っていたので、これは少し珍しい感じがした。自分は競馬はそんなに詳しいわけではないので、全国的にこれが珍しいのかはわからない。ウマ娘のイベントで全国を周っていればわかってくるだろう。

アニメの原画なんかを展示している部屋があった。これは私の推しのフジマサマーチ。今までは主に可愛い系のウマ娘が好きだったのだが、シングレではベルノライトも好きだがフジマサマーチになにか心惹かれるところがある。それは、彼女の背負っている感じとでもいうのだろうか、東海ダービーで勝つということにすべてを捧げた鬼気迫る雰囲気、しかしそれでも怪物オグリには勝てないという彼女の運命に共感と同情を感じてしまうからなのだと思う。

この競馬場はいかにも地方競馬場といった感じで全体的に建物が老朽化している。今では使わていない競馬場喫茶部という部屋を見つけた。

値段を見ると今とそこまで大きく変わるという感じはしないが、いつごろまで使われていたのだろう。

この部屋からはオグリキャップブームで沸き立っていたころの残り香が感じられるようであった。

レース後にシングレの声優4人がトークショーを行った。その様子は撮影禁止とのことだったので、終わったあとにその舞台を撮った。

トークの中でもここは趣のある建物だとネタにされていた。綺麗な建物もいいのだが、地方競馬場はむしろこのような過去に旅することのできる場所であってほしい。

普段はそれほど人も多く訪れないであろう笠松競馬場が、この日だけはオグリキャップが大活躍していた時代に戻ったかのように多くの人で賑わっていた。

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